Title | Publisher / ISBN Number... |
Dark Whisper 1 GrandAttesa | BANDAI
ISBN4-89189-097-5 C0079 P880E |
Dark Whisper 2 Callat Elements | BANDAI
ISBN4-89189-176-9 C0079 P980E |
## 雑誌掲載 ## |
事実この作品においてもその作中の欄外注記にて 「10年前は違う設定だった」などの記述にお目にかかります。その手の同人経験者の巣窟ガイナックス にも大いに関わりがあり、新世紀エバンゲリオンにおいては キャラクタデザインを担当したとのことです。
さてこの作品、海洋スパイSF物とでも言いましょうか、世界が大きく再編された近未来を想定しています。いきなり冒頭から「アメリカ合衆国」が、既に消滅しています。##戦争などでの滅亡ではありません。単に消滅で、その理由とプロセスは不明である事になっています。そして大きな気候変化(地球温暖化)により既に海面が上昇していると言う背景が設定されています。もちろん消滅した後の合衆国の国土は各勢力が分割統治をしているのですが、消滅の理由と置き土産などの発見に血眼になっていて、各情報局間の絡みや暗躍が物語りを引っ張っていきます。
話はいきなり盛り上がり、目覚めた軍人達が一時主導権を握り、沈没船に偽装されていた「シャトル(発射台含む)」で空へ上がる。前述の二人も一緒に、しかしそこで見たものは・・・ 軍人達はぼろぼろになった幽霊船へと去り、二人は再び地上へ戻ってくる。着陸地点はオーストラリア。
えっ? どこが海洋物かって?。 確かに始まりは海の中だけど・・・ここまで約前半 1/3 ここからシーンチェンジし、一巻目終わりまではもう一人の主人公「海洋技術大学生の女の子(胸がでかい)ネレディー(ニドとも言う)」の物語。
ニド ともう一人の学生 ジェフ(男) は、「WAS(国際海洋資源調査隊)の砕氷調査船アルビオン3 」でクルーの一人として北極海へ。ここでもすぐに話のテンションは上がりいきなり SOS をキャッチ、「北極観光財団」の双胴砕氷船が推進器の超伝導事故で遭難しています。もちろん早速救助に向かいますが、しばらくすると正体不明の潜水艦の攻撃を受けてしまいます。
周りは氷だらけの狭い水路で遭難船を巡り、調査船と謎の潜水艦(もちろん軍用)との攻防。いやぁスペクタクルですねぇ。ここでは調査船の対処法が凄い。調査機器をフル活用してのはったり攻撃を加えるのです。更に対潜水艦戦を詳しく解説しています。
はったり攻撃その一。雪崩誘発用のロケットランチャーや、染料弾で潜水艦のサーチプラットフォームを攻撃する。
はったり攻撃その二。地質、氷質調査用の人工地震器を放出し、爆雷攻撃に見せかける。
さらには浅い水路と自身も装備しているトリムタンク、その丈夫な船体など活用し潜水艦を踏んずけてしまうなどとんでもないことを行います。
さて、潜水艦に攻撃される理由はと言うと、遭難した船に乗っていたもう一人の「CIA特殊工作員(幼生固定体(コヨミも含めてメッセンジャーとも言っている))」を消す為ですが、もちろんその周りの別勢力も道連れにしてです。この企ては結局失敗しますが、このメッセンジャーはニドに「ダークウィスパー」と言うキーワードを託し、自ら氷の海に消え去ります。
「ダークウィスパー」すなわちこの物語のタイトル。
冒頭のシャトル、実は宇宙までは行きません。多分水素ラムジェットなどの推進器を装備して、電離層近辺まで上がりまた降りてきます。高々度まで行けるジェット機のようなものですので運行コストもシャトルに比べると安く済むのでしょう。で、その上の衛星軌道までの間は楕円軌道を周回する「バウンダリーキャッチャー」と言う機体にペイロードを委ねます。軍人が去っていったボロボロの幽霊船とはこの事です。この船が地上へ降りることは有り得ません。更に衛星軌道上にはいわゆる「ステーション」がある訳です。
この時代の船舶は主に 「MHD 方式の推進器」を備えているようです。磁場の中で電界を掛け海水そのものを直接駆動する方法で、これの強力な磁場を保つ為に超伝導を使用しています。超伝導もほぼ常温に近い状態で維持できるようで、遭難した船の場合コイルの保温壁が破損しているにもかかわらず、北極周辺の厳しい寒さの為にその超伝導状態が崩れないでいると言った状態が設定されています。またそのデザインに付いてもステルス系の丸みを帯びたデザインなどが多くとてもスマートなものが多いみたいです。外見だけでなく内装(コンソール)なども変にメカメカしく無くとてもシンプルかつスマートです。
ところで「アルビオン3」の中にはこの時、海洋牧場などのカウボーイや遠洋調査などの目的で飼育された「シャチジブジブ (2000もの語彙を扱える)」がいて、周囲の騒ぎをよそに船の外へ出ていってしまいます。後でまた物語に登場します。
小物類ではちょこちょこ登場する「DA(ダイブアーム)」、大深度潜水服(中が地上と同じ気圧のやつ)と超小型潜水艇の中間くらいのものが民間レベルで使用されています。多目的作業やレスキューなどに活躍します。
また輸送手段としては、無動力潜航に近い動きをする「ボイジャータンカー(潜水船)」など、更に一部の航空機は通常の燃料のほかに「衛星からのレーザーによる無線送電」をエナジーとすることも出来るようです。
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