Sience Fiction
本について SF本

(2000/03/25 UpDate)
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James P. Hogan

Writer. and Note
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James P. Hogan
(ジェイムス・P・ホーガン)

 DECのセールスエンジニアを経てSF作家になったという異色の経歴、そしてコンピュータ業界で、有名大学や研究所の人達との交流から得た資産をフルに活用した作品内容。SFを読まない(推理小説系の)人にも文句無しで進められる幅の広い構成。解いても解いても次々湧き出る謎。既存の科学技術に沿い、更にその先を行くSF設定、発明、発見、まさに「センス・オブ・ワンダー」です。

Inherit the Stars
星を継ぐもの

 デビュー作(日本での(多分))であり、後日シリーズ物へと発展する最初の巻でもあります。

 物語は月面で真紅の宇宙服に包まれた死体が発見されるところから始まります。しかし、それはどこの基地に所属する者でもなく、それどころか地球外が起源らしいと言うことで謎解きが始まるのです。身元不明の死体発見から始まるあたりはミステリーのようであり、事実物語の構成も謎解き、解明、新たな謎、更に深まる謎、と言った具合にミステリー小説そのものです。ミステリ-専門紙にレビューが載ったと言うことですからかなりな物でしょう。でも、それでも、この作品はサイエンスフィクションです。

 プロローグに登場する月面をさまよう人物、発見された死体、謎解きが終わってパズルのすべてのこまが嵌まった後に、エピローグで考古学の発掘調査隊が見つけた珍妙な物、何かの冗談として捨てられてしまったそれこそが... ここで見事に大きな輪が閉じるのです。

The Gentle Giants of Ganymede
ガニメデの優しい巨人

 「星を継ぐもの」の続編で舞台は地球外です。

 前作で書かれたエピソードの一つ、木星の衛星ガニメデで発見された氷付けの巨大な宇宙船、これの詳細な調査が物語の柱で、主人公とそのチームは既知の手段で数ヶ月の時間をかけて現地に赴くのです。そして調査中に試験起動した装置がきっかけで目の前で凍り付けになっているのと同じ異星人が時間を超えて現われるのです。

 普通のシリーズ物のように巻が変わる毎に主人公グループが違う場所で違う体験をする読み切りではなく、三部作全体で繋がった一つの物語です。月面で発見された人間そっくりの異星人とガニメデで発見された人間と大きく違う異星人、前作で一応の説明がついた状況や事実が、違う角度や更に外側から見ると思わぬ関わりや違う説明やより詳しい説明がつくと言った具合です。

 そして、時空を超えて出現した異星人とともに今度は数日と言う短い時間で地球に帰還します。暫く友好交流を深めた後、その昔種をあげて移住したと考えられる星に向けて巨人たちは旅立って行きます。エピローグでは外宇宙に向けて発信された出発を告げる電波信号に対し、驚くことにわずか数時間の後に返信があり、解読すると「その進路は正しく、帰還を待っている」と言う内容だったが、既に発進し加速中の船には通信は届かず、しかし帰還の試みは無駄ではないのだから... というところで幕を閉じています。

Giant's Star
巨人たちの星

 「ガニメデの優しい巨人」に続き三部作の締めくくり。 この巻の舞台は地球上、それとバーチャルスペースを介して異星系。

 月面の巨大アンテナから発せられたメッセージが到達するには数年を要するはずが、僅か数時間で返信があったのは一つの謎だがその後もメッセージの交換は続いていると言う。しかし友好的なメッセージと攻撃的なメッセージが入り交じり、どうやら相手グループは二通り居るらしい。と言うことで主人公とそのチームに謎の解明と友好的な勢力との連絡チャネルの確立の依頼がくる。 

内なる宇宙 上、下

 「星を継ぐ者」三部作の更に続編。

 舞台は地球外で他星系。そして更にファンタジー調の異世界へ・・。およそ考えつかない場所に在る「内なる宇宙(世界)」。いったいそれがこのように存在し得るという事を誰が想像できたでしょうか。

 「星を継ぐ者」三部作の更に続編で前作よりほぼ10年経っての出版です。文庫で上下巻併せて700ページ以上とかなりなボリュームになっています。

 物語りは前作「巨人たちの星」の結末から何年も経っていないような続いたものになっていて、今回の舞台は地球外しかも他星系です。日本語題の「内なる宇宙」とは、ひとつは個々人の精神的な内面の世界、そしてもうひとつはおよそ考えつかない場所に在る「内なる宇宙(世界)」。いったいそれがこのように存在し得るという事を誰が想像できたでしょうか。

The Genesis Machine
創世記機械

 量子力学と高エネルギー物理学の成果であるそれは、はるかかなたの物体の内部までをつぶさに観察できると言う。更に開発が進み注ぎ込んだエネルギーを空間の特定の点に集中的に転送できるまでになった。これはもう究極のレーダーであり、防御兵器であり、攻撃兵器でもある。こうなると軍部が放っておく訳も無く大々的に開発が始まってしまう。発明者である主人公は、先端科学の成果が軍事兵器として更に政治の道具に使われることに憂いていたが、いつか開発に没頭するようになる。

 やがてお歴歴を集めた完成披露の只中で不意に自動運転モードに入り、各陣営が保有していた ICBMなどが一度発射された後完全に破壊されこれ以上の攻撃をできなくした上で、以降同種の技術や敵対、破壊行動に対しては自動攻撃すると言う。こうして攻撃行動が不可能になり軍隊が意味を成さなくなり世界に平和が訪れたのです。故にこれを「創世紀機械」と言う。

 まあそうすると同種類の科学技術の発展も阻害されてしまうのですが、そこはちゃんと考えてあって、この機械の有功距離が月の軌道の手前くらいまでと言うことで少なくとも月面でなら研究開発を続けられるのだそうです。

The Tow Face of Tomorrow
未来の二つの顔

 

Code of the Life Maker
造物主の掟

 

The Immortality Option
造物主の選択

 前作「創造主の掟」のから十年を経て出版された続編。

 土星の衛星タイタンでの世にも不可思議な一大機械文明。地球側の言い成りに従属させようとする勢力に対抗し前作に引き続き孤高奮闘する主人公とそのグループ。タイタンの機械文明を生み出した異星人が時の流れを超えて今よみがえる・・・

東京創元社
ISBN4-488-66320-6 C0197 \800E

Thrice Upon A Time
未来からのホットライン

Endgame Enigma
終局のエニグマ

The Proteus Operation
プロテウス・オペレーション

Voyage From Yesteryear
断絶への航海

The Mirror Maze
ミラーメイズ 上、下

Realtime Interrupt
仮想空間計画

Paths toOtherwhere
量子宇宙干渉機

 この世界は無数の量子論的多元宇宙のひとつで、近傍の平行世界同士が互いに干渉しあって存在していると言う。この干渉をコントロールする方法が開発されるが、政府、軍はこれを自身の管理課に置こうと画策する。それと戦う研究者たち。もちろん近傍の平行宇宙でも似たようなことが起こっているわけで、異世界において、自分であって自分で無い。そんな複雑な状態が多種入り乱れての大混乱。

 何せパラレルワールドですからね。同じキャラクターでも立場や周囲の環境もまるで違うんですよ。それが一つじゃなく複数出てきますし、斜め読みしただけじゃ混乱が増すばかりです。ここはひとつじっくりと何度も読んでみてください。

東京創元社
ISBN4-488-66319-2 C0197 \902E
創元SF文庫

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Writer. and Note
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新井 素子
(Motoko ARAI)

 女性でデビュー当時は高校生だったはず、とってもコミカルな作風だけどちゃんと SFしている。設定にしても表現こそ若い女の子風だけど、なかなか深く考えてあります。主人公が女の子で、どう考えてもこれは作者自身だろうなぁと言う面もあり、各物語間でキャラクターのつながりもあり、とってもこだわりが激しく、全部説明しないと気が済まないようで、独自の文体、独自のテンポとあいまって非常に特殊な雰囲を醸し出しています。

 後に結婚するのですが、式までのどたばたを書いた数冊に及ぶシリーズも(SFではありませんが)あります。これにしても著作中でも本人は否定していますが、やっぱり自分自身のことだろうなぁ。と思うのは私だけではないはずです。

星へ行く船

通りすがりのレイディ

カレンダーガール

逆恨みのネメシス

そして、星へ行く船

星から来た船(上中下)

絶句(上下)

いつか猫になる日まで

あたしの中の・・・

扉を開けて

グリーンレクイエム

二分割幽霊綺譚

ラビリンス

あなたにここにいて欲しい

今はもういないあたしへ

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Writer. and Note
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田中 芳樹
(Yoshiki TANAKA)

 重厚な、そして典型的なスペースオペラですね。中世ヨーロッパの貴族社会にその範を求め、帝国側の人物名は特にドイツ系のものを紳士録から拾うという徹底ぶりです。舞台は銀河を所せましと駆け回り、登場人物の多さは群を抜き、主軸たる戦闘シーンの描写にしても、こまごましたその場の戦術描写だけでなく、大局を網羅した詳しい戦略描写を徹底してるところに非凡さがあります。

 銀河英雄伝説は最初にレーザーディスクの「第一期BOX」を購入したのがきっかけで、その結果原作をそろえたという訳です。まだ二種類の作品しか見ていませんが、他の作品も読みたいと思います。

銀河英雄伝説(本編10巻+外伝4巻)

タイタニア(1〜3)

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森岡 浩之
(Horoyuki MORIOKA)

 電撃大王の連載から入った口ですが、だいぶ前からキャラクターやなんかは見掛けていましたがストーリーに引きずり込まれた、と言うところですね。

 各メディア毎のキャラクターにはだいぶギャップもありますが、それぞれに味わい深いものです。ネットを見まわすと随分とはまり込んでいる人も多いようでファンページなんかも沢山ありますね。

星界の紋章 1,2,3

星界の戦記 1,2

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長編シリーズ物

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宇宙英雄ペリーローダン
シリーズ

 人類初の有人月ロケットの打ち上げから始まり異種文明とのファーストコンタクトの後、宇宙へと旅立ち銀河中を駆け巡るこの一大長編、本国ドイツでは多数の作家によるリレー形式で週刊で連載されていた歴史に残る超長編SF、これを日本では二部毎に文庫本一冊にまとめて早川文庫より出版されています。途中で挫折してしまい約130巻あたりまでしか入手していません。現在では200巻を遥かに超えているようですが、それにしても本国では確か2000巻を超えていたという話なので果たして最後まで出版できるのでしょうか。

 今はどの辺の物語が出ているのか、たまに書店で手に取ってみますが間を埋めるのを考えるとつい及び腰になってしまいます。インターネットに接続して間も無くのとき、どこかのリンクでペリーローダンのホームページやリンクがあるのを発見しましたがあえなく迷子になってしまいました。いずれまたこのリンクも探検の必要があるでしょう。

ローダン・ハンドブック

 過去に130巻あたりで一度購入を挫折していたシリーズの解説本です。シリーズ本体も時折書店で手に取ってはまた棚に戻し、と言う具合で今だ購入再開までは至っていません。このハンドブックも大分前に出ていたようです1994年6月発行とありました。キャラクターやメカなどの解説のほかエピソードや物語の背景舞台など多岐にわたり、リレーシリーズの特徴である複数の著者についても抜かり無く紹介しています。

宇宙英雄ペリーローダン シリーズ

レンズマン シリーズ
E. E. Sumith

 何万人?に一人という割合で選抜されレンズを持つことが許されるエリートたち、レンズとは?知恵と勇気の象徴であり、その鍛え上げられた肉体と頭脳に加え更に超常的な力をも手に入れることができる。そして一人一人が行政官でもあり、裁判官でもあり、刑の執行官でもある。このように絶対的権限を持つゆえにその選抜育成には困難を極めるが、宇宙はあまりに広く対処すべき犯罪は山のようにある。

 慣性をなくすることで相対性原理の束縛を絶ち超光速航行を可能にする恒星間航行技術や人間形態以外の各種異星人も多数登場する壮大なストーリーです。主人公が単身敵地に乗り込みズタボロになりながらも・・・というパターンが多いですね。OVAとしても出ていましたし、ひょっとしてTVでもやったかも?。この時は主人公の年齢がずいぶん低く設定されていたのと、ストーリーがだいぶ簡略化されていたのでずいぶんと違和感を覚えた記憶だあります。まあ長編大作を映像化するときにはどうしてもなりがちなことではありますが・・・

確か、記念すべき一番最初に買ったSFの本だったような記憶があります。

銀河パトロール隊

グレーレンズマン

第二段階レンズマン

レンズの子ら

ファーストレンズマン

キャプテン・フューチャー
シリーズ

 月面に住む天才科学者で冒険家と、三人の相棒(機械体、有機体、頭脳のみ)が活躍するお話。事件が起こると地球政府からの依頼で出動する。古き良き時代のSFらしくアイテムや、物質や、原理なんかも定義がおおざっぱで、結構ゲゲボな設定も出てきます。原理としては確かにそうなんだけど模型くらいならそれで動くだろうけどとか・・・ 何もない辺境の星から宇宙船を組み立てそれで脱出するというお話まであります。ハードSFファンとしてはその辺が不満なんですけど。でも、何といっても内容が大冒険活劇なのでちゃんと楽しめます。


火星 シリーズ

 空に一際赤く輝く星、火星。吸い込まれるように見入っているうちあたりの様子が一変し、気が付くと火星の大地に立っていた。という具合に物語は始まります。でもそれは現在の火星ではないようで、空間といっしょに時間も超えて飛んできたようです。そこから冒険活劇が始まります。

 基本的にファンタジー系のお話ですので冒険を重ね色々アイテムを入手します。主人公の位置づけもその都度変わり最終的にはお姫様と結婚するのです。ハイテク物は殆ど登場しません。唯一空を飛ぶ乗り物がありますが、それにしても技術色を押さえています。最後には主人公は地球へ戻ってしまうのですが、別な巻ではまた火星に立ち戻り物語が続きます。


ジェイムスン教授
シリーズ

 物語は主人公が死んだところから始まります。遺言により冷凍保存された遺体は地球(ひょっとすると太陽)周回軌道に打ち上げられるのです。そうして何万年も経ち人類も既に滅亡したころ宇宙を旅する異種文明の手により発見され機械の体で復活します。太陽も赤色巨星化し寿命の末期に差し掛かるその時自分を拾い上げ復活させてくれた仲間とともに宇宙を探検するたびに参加する決心をするのです。そこからこのシリーズが始まります。


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色々な SF

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Anne MaCaffrey
アン・マキャフリー

歌う船

友なる船

 歌う船の活躍から200年程が過ぎた頃、訓練過程を終え初任務に就こうとしている頭脳船がいた。パートナーも決まらぬままのその旅の乗客は同じように訓練を終え、任地に旅立つ5人の若者たち。しかし、出身の家柄に比べ赴く先の寂しさは・・・。一癖も二癖もありそうな面々を乗せ旅立っていく。

Anne MaCaffrey & Margaret Ball
東京創元社
ISBN4-488-68307-X C0197 \740E
創元SF文庫

ロバート・L・フォード

ロシュワールド

スタニワスフ・レム

星からの帰還

グレゴリイ・ベンフォード

夜の大海の中で

星々の海をこえて

フレドリック・ブラウン

発狂した宇宙

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