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■実在しない園芸品種
数多くの園芸品種のあるヘザーですが、官庁の設計に入ってくるそれらのなかで由来のはっきりしないものがあります。その代表的なものが、エリカ カルネア「サンタマリア」です。今まで諸外国を含めあちらこちらの文献などを探しましたがどこにも出てこないのです。おそらく勘違いしたまま世の中に出たのではと思います。
これでは「サンタマリア」はありますか?とか「サンタマリア」の花の色は?と聞かれることがありますが答えようがありません。以前、道内の某生産者が出典を確認せずカタログを製作し、各方面にばらまいたために今でも亡霊のように生きているという訳です。業者として販売するときは必ず自分なりに確認する義務があるのではないでしょうか。最近の販売カタログやラベルにはそうした疑問のある表示がよくあります。
■誤った読み方の園芸品種
これも困った実例です。カルーナ ウルガリス「キンロチェル」。同じく上記生産者の配布したカタログの記述がそうなっていたため世の中に広まってしまいました。
Calluna vulgaris
'Kinlochruel'
(カルーナ ウルガリス「キンロッホルール」が正しい)
この場合は発音の読みの違いといったレベルではなく、単に読み間違いなのです。スペルをよく見るとわかることなのですが、
Kinlochruel=Kin-loch-ruel
(正しい区切り方)
この中の loch
は「ロッホ」と読みスコットランド語で湖(氷河湖)のことです。英語読みで「ロック」ともいいますが、lock
と間違いやすいこと、命名の母国語で読むという原則的な考え方から、「ロッホ」と読む方が無難です。ちなみにスコットランド民謡に歌われている美しいローモンド湖ですが決してロック・ローモンドとは言いません。いかなる国の歌手でも「ロッホ・ローモンド」と歌っています。言葉の持つ響きは大切なのです。
Kinlochruel・・・Kinlo-ch(r)uel
(誤った区切り方)
おそらく「キンロチェル」という読み方は、本来の音節の区切りを誤ったうえに、
r
を無視し二重の誤りを犯しています。皮肉なことにこの誤った名前はゴロがよいのでたいへん始末が悪い。
■カルーナ ウルガリス「キンロッホルール」の国内植栽例と記述例
リタロード(余市町)整備植栽計画書・・・http://www4.justnet.ne.jp/~taki2629/sab2-1-1.htm
このほかにも怪しげな園芸品種がありますが、官庁での設計には十分気を付けていただきたい例として掲載しました。
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