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■(応用編)職人さんのテクニック 植物にも言い分があるでしょうが、人間の都合でどうしても・・・という場合があります。さてどうしたらよいでのしょうか。つまり地上部と根のバランスをどうやって保ったり、回復させたりするかです。私たち生産者だけでなく施工技術者を含めた「職人」さんのテクニックをご紹介いたします。 1)植え替え前の「根切り」 これは良く聞く方法なので簡単に説明しますが、植え替える前年の春に、苗木を堀り上げずに堀り取る予定の根鉢直径より小さめにスコップなどで根を切っておきます。こうすることで、地上部の成育が抑えられ、翌年植え替えるときには根の量が増えているので、両者のバランスが改善されて成功する確率が高くなります。 2)本植え前の仮養生 植える予定の時期が適期でない場合、また現在植えている場所をとりあえず移動しなければならないときなどに有効な方法です。掘り上げた木を、火山レキ(鹿沼土と同様な効果あり)に仮植えして数ヶ月養生します。保水力があり、水はけもよいので発根が促され時期の悪いときの本植えに効果を発揮します。この方法は、挿し木の原理にヒントを得たもので、春に本州などから植木を仕入れて販売している取引先に勧めたところ、作業性も良く感謝されています。ただし1年以上の長期間放置しておくと、土壌に養分がないため衰弱することがあるので、この場合は肥料を施す必要があります。(次の写真は春に移植し冬に掘り上げたアカエゾマツで、新しい根がよく伸びているのがわかります。) ![]() 3)根鉢を水に浸す 掘り上げ直後から一定時間、土が落ちないように根を浸透性のある資材で包み、水を張った入れ物に浸しておきます。少なくなった根が効率よく水を吸い上げますが、あまり長時間浸すと、酸素不足で根に悪い影響が出てきますのでほどほどにします。近年、植物を活性化させる様々な業務用の薬品が出てきたので併用することが多くなってきました。 4)「葉むしり」と整枝 読んで字のごとく、苗木を掘り取る前か直後に、間引きするように葉を手でむしりとることです。成育旺盛な時期の場合は伸長している柔らかな茎も含め適当にかき取ります。枝が密生していたり、徒長した枝が目立つ場合は、はさみを使って整枝(小枝の間引き)をすると効果的です。針葉樹の場合は、伸長している柔らかい部分の半分ほどをはさみを使わず手でかき取ります。 なお太い枝を切るときは、切り口にろう状のものを塗って蒸散を防ぐとよいでしょう。私の失敗談ですが、ある年の5月に訳あってハクウンボクという木の枝を切ったときのこと、切り口から滴るほどの水が出てきたので、薬を塗ったのですが止めることができず、慌てたことがあります。これほど極端なケースは希だと思いますが、植え替えるのがわかっている場合、太い枝は前年の秋か冬のうちに落としておくのが無難です。 5)蒸散抑制剤を噴霧する 一般の方にはなじみの薄い薬品ですが、水で希釈した(薄めた)ろう状の液体を、主に葉の裏にまんべんなく噴霧器を使って塗布します。葉の裏におおく存在する気孔を人為的にふさぎ、蒸散を防ごうという方法です。一度乾くと雨が当たっても落ちることはありません。ただし、盛夏のときには新陳代謝が盛んなので、さほど効果が期待できません。 6)堀りあけた直後から一定の養生期間を設ける 知る人ぞ知る、適期以外の時の植え替えでは、究極の方法でしょう。内容をお話しするとなんだそんなことかと思われるでしょうが、以前はむしろ反対のことを行っていたのです。業界の裏話を交えてご紹介します。 7)曇天のときに作業する 炎天下では当然のこと弱りやすいので、曇天の時に作業した方がよいでしょう。
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