市民園芸講座目次 > 1996年

緑の世界にも時代の流れが

 私がこの記念すべき「みどりの日」の講師を務めさせていただき5年目になります。私自身は同じことを合いも変わらず繰り返しているだけで、何のの進歩もありませんが、世の中はめまぐるしく移り変わっているようです。さて、庭木の世界も例外ではなく、かつてはそれほど話題にならなかったハーブ、コニファー、イングリッシュガーデンなどごく身近なところに登場するようになりました。西洋との交流や海外旅行が盛んになるに従い、その普及はめざましいものがあります。

 私ごとで恐縮ですが、10年ほど前に、縁があってイギリスの園芸会社から苗木を輸入したり、現地の園芸書籍を購入したりして今日に至っていますが、日本にいては味わえない世界や美しい樹木があることを知り感激したものです。そして、当地で流行しているものは必ずといって良いほど数年遅れて日本でブームとなっているような気がします。ここで大切なことは、いずれも歴史的な背景や文化の中から生まれ育ってきたもので、日本のように商魂たくましいコマーシャリズムに乗せられて突然登場したのではないということです。日本の場合、海外への旅行、ビジネスでの視察が増えてきたため、現地でよいからといってそのまま日本に持ち込み、売り込んでいる場合もあるようです。

 最近、パソコンが急速に普及しつつあります。やれ「ウインドウズ」だの「インターネット」だの、その名前を知らない人がいないくらい連日コマーシャルが流されています。ところがその中身となると多くの人がよく理解していなのです。印税を稼ぐのはこのときとばかり、書店にもこの手の本が氾濫しています。誰でもすぐ使えるパソコン、世界で最も優れた「ウインドウズ」、いま「インターネット」知らないと時代に取り残される。これらの宣伝文句には誤りがあり、消費者が誤解する原因をつくっています。あくまでも自分にとってどうかという地に足のついた判断が必要で、言葉だけが一人歩きしないよう一人一人が目を光らせていくことが大切だと言われています。話題が逸れてしまいましたが、庭木の世界にもこうしたことが当てはまるのではないかと思います。(1996年春)


有限会社 川原花木園