北国のみどり情報局
随想「四季雑感」
有限会社 川原花木園
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第二話 常緑樹の陰謀(1)

 今回も葉っぱの落ちない木シリーズです。北海道内のある公共機関のアンケートで、緑に関するものを見つけました。緑は安らぎを感じる云々の中に、ひとつ興味深い回答がありました。「常緑樹をどう思いますか?」という問いに、「常緑樹は暗い」とする答えが非常に多かったのです。言われてみると暗いイメージは、ある程度納得の結果でもありますが、ここですでに我々は、常緑樹の罠にはまりつつあります。実は暗いというイメージを抱く裏側に、「印象が薄い」、「かかわりたくない」という消極的な姿勢が潜んでいるように感じられるからです・・・。


冬のニオイヒバ


暗いイメージ?の常緑樹

 いつも緑を維持している樹木を常緑樹と呼びます。常緑樹は針葉樹と広葉樹に大きく二つに分けられ、針葉樹はご存じのマツ、ヒノキ類で、一目見ただけで常緑樹と判ります。一方の常緑広葉樹は、福島県より南に住む人たちのよく知るクスノキが有名ですが、北海道の人にはあまり縁がありません。道内に自生する常緑広葉樹を、ざっと並べてみると、エゾユズリハ、ツルシキミ、フッキソウ、クサツゲ、ナツボウズ、ハイイヌツゲ、ツルマサキ、キヅタ、ヒメアオキ、高山性のツツジ・・・などが思いつきます。思いつくのは結構樹木に詳しい人で、これらを見かけたことがある方はどのくらいいらっしゃるでしょう。この常緑広葉樹のほとんどは、耐寒性にやや乏しく、冬は雪の下でぬくぬくと生活しています。これらは群れをなしたがり、地下茎のものが多く、ちょっとやそっとではここをどかないぞと居座り、次の機会を窺っています。まあ雪の下で肩寄せ合っている連中は、きれいな花を咲かせたり、ナキウサギの食料となったりと、かわいいところもあるので、今回は大目に見てやりましょう。


光沢のある葉も、雪に守られて維持しています(エゾユズリハ)


 さてこれらとは対照的に、この厳寒の地で、雪の上にまで出てきて、あやしい生態をみせつける常緑広葉樹が、ツルマサキとヤドリギです。ツルマサキはよじ登り植物で、茎から気根を出し、樹木をよじ登ったり、石垣なども這い上がります。ヤドリギはいわゆる寄生植物で、ハルニレやカシワ、ブナ、サクラなど、広範囲の樹木の組織に侵入して、水分と養分を吸収しながら生存していきます。どちらもなにかにすがって生きていくという、日本の政治家のような生き物ですが、主(ぬし)を弱らす程度で、殺すところまではいきません。なぜこれらの樹木は、わざわざ環境のきびしいところに出てきて、葉を残す必要があったのでしょうか?実に胡散臭い感じがしてきます・・・。

  
ツルマサキ(写真左、中央)とヤドリギ(写真右

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