北国のみどり情報局
随想「四季雑感」
有限会社 川原花木園
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第五話 色っぽい話(2)

 樹木は大きく分けて、「落葉樹」と「常緑樹」があり、紅葉というのは、「落葉樹」が落葉するための準備期間に用意された、贈り物のようなものです(新芽が紅葉する種もありますが・・・)。落葉という作業は、植物の一種の老化現象で、いらなくなったタンパク質や、クロロフィル(緑色の色素)などを分解させ、栄養分を種子や貯蔵器官に利用した後に、古くなった葉を脱落させることなのです。そのきっかけとなるのが、季節の移り変わりによる、日照時間や気温の変化に因ります。樹木自身が冬の到来を感じ、落葉の準備をはじめると、葉柄の基部に「離層」という細胞の層を作ります。葉が少し色づく頃に、多くの樹木で、冬芽のところからきれいに葉を採取することができるのはこのためです(ツタのような変わり者もいますが)。「離層」が出来ると、葉で作られた「糖分」が枝の方に流れていかずに、葉の中に貯まってしまいます。その際にいわゆる「紅葉する葉」の中では、「クロロフィル」(緑色素)が壊され、黄色くなると同時に、余った糖分から「アントシアン」という色素が作られ赤くなるのです。このように我々が目にする葉色の移ろいは、植物色素の変化を見ているわけです。



エゾヤマザクラ(Prunus sargentii )の紅葉変化



ギンヨウカエデ(Acer saccharinum )の紅葉変化


 植物色素は大きく分けて次の3つが代表的です。

「クロロフィル」chlorophyll は緑色の色素で、葉緑素とも言われます。光合成をする細胞の一部で、光エネルギーを植物の利用できる形に換える働きを持ち、花、葉、茎など緑色の部分にあります。緑葉に含まれる「クロロフィル」は青と赤の波長の光をよく吸収し、光合成を促進させますが、緑や黄色の光は反射するので葉が緑色に見えるのです。

「カロテノイド」carotenoid(俗にカロチノイドと呼ばれることが多い)は黄色、橙色、赤、紫などを示す色素群の総称で、「カロテン類」 carotene(俗にカロチン)(赤系統)と「キサントフィル類」xanthophyll(黄色)の2つに大別され、緑葉の中にはどちらも存在します。「キサントフィル類」は葉緑体の中に含まれ、光合成の補助色素となります。さらに「キサントフィル類」の中には、卵黄の黄色を示す「ルテイン」があり、目に良く効くことで有名です。

「フラボノイド」Flavonoid は植物色素の総称で、「フラボン類」や、「アントシアニン類」などに分けられます。「フラボン類」は植物のほとんど全組織に存在する、白から薄い黄色の色素ですが、淡い色のためクロロフィルや、カロテノイドに隠れ、直接色が見えることは少ないようです。「アントシアニン類」は、橙色から赤色・紫色を経て青色に至るまでの花色や、果実の発現に影響する色素で、紅葉に大きく関わっている「クリサンテミン」chrisanthemin などがあります。(「アントシアニン」と似た名前に「アントシアン」や「アントシアニジン」がありますが、それぞれの関係は次の通りです。色素 成分そのものを「アントシアニジン」それに糖類がくっついたものを「アントシアニン」両者を含めた総称として「アントシアン」と呼びます)。



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