北国のみどり情報局
生産者の視点
有限会社 川原花木園
Reports > 生産者の視点 > 街路樹の話


(3)街路樹の功罪

 都市に限らず人々が集まり生計を立てている集落は、自然を守る必要性は感じながらも「人間の営み」を中心に考えざるを得ません。街路樹も例外ではなく、単に生命を生きながらえさせることではなく、できる限り健全に成長し生きてもらえる環境を作ることです。しかし限定的な環境や条件下ではその成育が悪影響を及ぼすと考えられることもあります。

  • 地上部の成育に対する障害・・・電線、建造物、交通信号・標識などの占有空間への侵入
  • 地下部の成育に対する障害・・・根による舗装路面の損傷、沿線私有地への根の浸食

 また次の表に示すとおり街路樹が成育することで、様々な立場の人々や考え方によっては相反する評価を受けるため、行政側はこうした矛盾をどう解決したらよいか常に頭を悩ませているのが現状です。

長所とみなされること
短所とみなされること
木陰
日照権侵害
やすらぎ
うっとうしさ
ランドマーク
交通障害
大気浄化作用
剪定、落葉などの処理費用発生



葉の大きいことが嫌われているプラタナス

例えばプラタナスは、強剪定にも耐え、通過車輛による排気ガスにも強く大気の浄化に効果があるとされたため、全国各地で盛んに植栽されましたが、成長が早いこと、葉が大きく落葉したときの清掃がたいへんなことがあだとなって剪定などのメンテナンス費用がかさみ、沿線住民からも嫌われる樹種という烙印を押されてしまいました。特に交通量の少ない路線では果たしてプラタナスを採用することが正しかったのかという批判があり、採用樹種の得失を考えると問題がなかったとは言えないでしょう。また車道や歩道の幅員に余裕のないところにも成長がよく樹冠を広げるタイプの樹種を採用すると早い時期に沿線の日照や交通傷害の原因となるため不向きです。ただし採用樹種の誤りや管理の拙さを街路樹の否定に短絡させる考え方も問題です。


整然と管理されたプラタナス(岩見沢市美園)
電線や両側の空間を意識した剪定がされている



のびのびと育つプラタナス(フランス:某民放テレビのひとコマ)
日本のように電線がなく両側にも障害となるものがない



有限会社 川原花木園