三誌に跨り四年越しの作品をまとめたものがこの本です。テーマはタイトルにもあるように「風」と、「戦争」と「古神道」。 先の大戦が予定されたもので宗教的儀式の一環であるという前提に立ち、史実に沿った形で話を進める。B-29によるジェットストリームを利用した遠距離高々度帝都爆撃、風船爆弾を風に運ばせ太平洋を超えさせる「ふ号作戦」、後半繰り広げられる時代の陰に隠れた儀式の内容。全てはこの日のための準備にすぎない。
このようなモチーフはこの人の作品にはよく出てきます。さながら狂言廻しのように。戦争や兵器と女の子の組み合わせ、風をテーマにした物が多いです。上記にも一部収録されていますが、季刊で出ていたらしいコミックスサイズの「プチ・アップルパイ」にも多数連載していました。