Motoko ARAI
女性でデビュー当時は高校生だったはず、とってもコミカルな作風だけどちゃんと SFしている。設定にしても表現こそ若い女の子風だけど、なかなか深く考えてあります。主人公が女の子で、どう考えてもこれは作者自身だろうなぁと言う面もあり、各物語間でキャラクターのつながりもあり、とってもこだわりが激しく、全部説明しないと気が済まないようで、独自の文体、独自のテンポとあいまって非常に特殊な雰囲を醸し出しています。
後に結婚するのですが、式までのどたばたを書いた数冊に及ぶシリーズも(SFではありませんが)あります。これにしても著作中でも本人は否定していますが、やっぱり自分自身のことだろうなぁ。
まずは、「星へ行く船」と、そのシリーズ。主人公の女の子の家出から始まり、SF足る所以は地球を飛びだし、火星コロニーに落ち着き、大冒険活劇へと展開していくところでしょう。「通りすがりのレイディ」では、バイオニックジェニーのような美女が登場し、主人公も一部そのようになります。「カレンダーガール」では、宇宙客船の乗っ取りに巻き込まれ、「逆恨みのネメシス」では、しつこいまでの心理攻撃と戦い、もちろん派手なシーンもあります。全編通して伏線やどんでん返しは豊富にあり、裏には大きな組織が見え隠れ、「そして、星へ行く船」に至っては、異種生命体とのファーストコンタクトをにおわすという、壮大なものですが、もう一つの柱は、やはり全編を通じたラブストーリーと痴話げんかだったりします。これだけじゃさっぱりわからないだろうなぁ。
「星から来た船(上中下)」の三部作シリーズが出て10年ほど経ってから出版されたサイドストーリーです。著者によるとまだ書いていないストーリーがあるそうで、いずれ書きたいなぁということですから更なる長編へとなるようで楽しみです。
他の所有作品リスト
絶句(上下)
いつか猫になる日まで
あたしの中の・・・
扉を開けて
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二分割幽霊綺譚
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あなたにここにいて欲しい
今はもういないあたしへ
新井 素子
Motoko ARAI
集英社文庫、コバルト文庫
星へ行く船
通りすがりのレイディ
カレンダーガール
逆恨みのネメシス
そして、星へ行く船
星から来た船(上中下)
絶句(上下)
いつか猫になる日まで
あたしの中の・・・
扉を開けて
グリーンレクイエム
二分割幽霊綺譚
ラビリンス
あなたにここにいて欲しい
今はもういないあたしへ