スタニワスフ・レム
星からの帰還
星からの帰還
スタニワスフ・レム
さて、この本の主題はカルチャーショックです。ジェネレーションギャップといってもいいかな?、もっと飛躍してファーストコンタクトといってもいいでしょう。実際はタイトルにあるように宇宙探査から帰還するわけです。ちゃんと故郷の星に。船の上では約10年の時間経過ですが実際の世界では127年経っているというわけです。亜光速飛行での浦島効果なわけですね。しかし10倍ちょっとの127年と言うのはやや控えめすぎるかもしれませんが、この短い期間に文明や思考形態が大きく豹変していたといって物語は始まります。
一緒に戻ってきた仲間たちと離れそれぞれが街の中に溶け込もうとしますが、あまりの社会の変貌に戸惑うばかり。穏やかで争いのない世界というのだが、色々確かめるうちに何か違和感が湧いてくるという。仲間たちと落ち合い情報交換もしますが、不安感はぬぐえず多くの仲間は最終的には再度の宇宙探査の道を選ぶという結末です。
しかしこの程度の時間設定だとたとえば、自分や友人の子や孫などと再開するというと言うことも可能なんですね。実際そういう記述も出てきます。この短期間でこうまでも豹変した原因を探ろうともしています。千年一万年と経過していればそれこそ単純にファーストコンタクトと捉えれば良いわけですが、身内を知る者の生存可能範囲だとそういう訳けにもいかないですね。