Item |
Spec |
---|---|
MotherBoard |
[Fujitsu Micro 8] |
CPU (MPU) |
MC6809B 1.2MHz (Dual(MAIN) MPU) |
OS |
F-BASIC : Internal ROM or Disk BASIC |
Memory |
64KB |
Video |
MC6809B 1MHz 48KB V-RAM (SUB MPU) |
FDD |
EPSON TF-20 5inch 2D 320KB 2 drive |
Heiro-09 |
CPU Accelerator (2MHz Drive) |
この FM-8 最初はとっつきにくかったですが、慣れるとその洗練された設計思想に魅せられます。ミニコン譲りのシンプルな構造を持ち、内部的には一部16ビット処理もする先進の MPU、2MHzの 6809 で Z80/8MHz をも凌駕したと言う。
ディスプレイにもメインと同じ 6809 MPU を搭載し、分散処理をすると言う贅沢さ。極限を求める為の自在なハードへのアクセスにはやや難があるもののこの構造は進化しつつFM-16βまで引き継がれるのです。
初代はとても高価だった為、最初は本体と、カセットと、安価なディスプレイのみでした。後に 2 ドライブのフロッピーと、まともなディスプレイと、OS-9 と言う本格的な OSを入手するのです。
しかし、購入して一年も経たない頃FM-7 が発表になりました。何と、性能(スピード)は二倍、値段は半分と言う今ではとても考えられないアドバンテージを持った新製品です。幸いな事にハード的にもソフト的にもコンパーチブルは保たれていました。
この製品は FM-7との性能差を縮める為の今で言うサードパーティのギミック的なキットでした。いわゆる CPU Acceleratorのようなものです。初期ロットには特に本家モトローラのMPUチップのクロックに余裕のあるものが搭載されていた事もあり、本体搭載のMPUを流用する事が出来ました。
外観は、MPU ソケットから短いフラットケーブルを介しMPUと、数個のロジックと、クロック用のクリスタルが載った小基板を接続するものです。この当時主な記憶装置はカセットテープで、その信号の解釈はソフトで行っていましたのでクロックが変わると読み書き出来なく成ります。数個のロジックはそのための対策で、具体的にはカセットを含むI/O エリアにアクセスするとクロックをノーマルに、動的に切り替える回路が載っています。単にスイッチするだけではタイミングが合わずにヒゲが出てハングしたりしますので、奇麗に切り替わるようなタイミング調整を含んだ回路になっています。
FMシリーズのビデオメモリはメインMPUの管理下には無く、全く独立したエリアにメインと同じもう一つのMPUに接続されています。両者の間は 128Byteの共有メモリを介して接続されています。この構成の為ビデオメモにへの自由なアクセスには難がありましたが、サブへ別にプログラムを転送し、メインと全く独立した動作をする事も可能でした。
このサブ MPU 、FM-8では 1MHzその後 FM-7からは 2MHzで動作しています。FM-8 においても 2MHz動作をさせるのですが、メインとは違ってサブの場合は非常に簡単でした。その回路の中に丁度 2MHz用の(正確にはMPU内で 1/2に分周するので倍の 4MHz)のクロックが出ている場所が有りますのでそこから線を引っ張りMPU のクロック入力に元のクリスタルの代わりに接続するだけです。
そうです。線一本で(MPUの足は浮かせる)クロックアップが出来たのです。それでも少しは問題が有りまして、CG(キャラクタ・ジェネレータ)のスピードが追いつかない場合が有って、周囲温度などの影響で画面の文字が崩れていく事も有ったようでした。私の場合は幸いにも症状は出なかったのですが、安全の為これの対策も行いました。私のマシンは初期ロットの製品でしたのでメモリなどには高価なセラミックパッケージのものが搭載されていました。キャラクタ・ジェネレータも後期のものではプラスチックパッケージのマスクROMですが、幸いにもEP-ROMが載っていました。この場合はチップセレクトを同時にROM の二本の足に与えるとアクセスタイムに余裕が出ると言うのです。この対策も ジャンパ線一本で済んだのでした。そうでない場合はより早い ROM に焼き直すなどしなければなりませんでした。
こうして私のFM-8はFM-7と変わらないスピードを手に入れたのです。