元気のいいお姫様と東宮様の、皇族方や殿上人を巻き込んでの平安時代絵巻ラブストーリー。
1.1). 「散華」、自害したため昇天を許されず300年間も黄泉路の案内人をしている沙桐と、黄泉の国へ迷い込んだ東宮の陽朔が出会い来世を約束する。
1.2). 「夢の浮き橋」、無事現世へ戻り元気になった陽朔の元へ昇天を許された沙桐が霊体で現れ詳細な身分を明かすと、どうやら今生の姫であるらしいことが判りかならず迎えに行くと確約される。
1.3). 「きらきら馨る」、昇天したはずが実は生き返り戸惑っている沙桐の元へ届けられた贈り物の匂い袋には楸の花が添えられていた。居ても立っても居られなくなり牛飼い童に化けて内裏に忍び込み確かめに行った所を二人の宮様に保護されるが・・・、お仕置きに男子の姿で童殿上することを要求される。
2). やっと陽朔とも会え、お后になることも内定するものの道は未だ遠く、入内までにお后教育が待っていると言う。更には怨霊が現れ妨害し、ライバルである左大臣家の琴姫から挑戦状をもらうなど山のような障害が出現する。
3). 怨霊から逃れるため身分を隠し若君として左大臣家に身を寄せるも、そこは恋敵琴姫の住まいでもあった。怨霊は沙桐姫の姿を求め都中に出没し、入内の決定を白紙撤回せよとの意見も持ちあがる。
4). 琴姫の策謀により拉致され連れ出された先で怨霊にも出会ってしまう薫(沙桐)、一方怨霊は早生の幼少時の姿で早生の中に宿っていたと言う。なんとか危機を乗り越えるが・・・
5). 懲りない琴姫は早生を心配するあまり体を張った行動に出るが、あっけなく阻止されて怨霊の説得をすることに。そしていよいよ姫同士直接対峙するも、童姿で既に旧知の仲だった事に驚く双方。そして琴姫がお后教育の手本を勤めると言う。一方怨霊退治も佳境に突入する。
6). 速生に宿る怨霊も静まり琴姫と速生は結ばれ、お后教育の成果も実り晴れて入内の日取りが決定する。 「沙桐ちゃん危機一髪」、番外編の現代学園もの。 「庚申の夜編」、暦の上で60日に一度巡ってくる眠れない夜、内裏の庚申の夜の宴での一コマ。見所は弾上尹宮の舞姫姿。宴に浮かれる影で東宮御所の神殿に退位せよと書かれた怪文書が刀で打ち付けられていた。
7). 弾上尹宮の舞姫姿に文の言伝が殺到し、自分も東宮に文を書こうと東宮御所の寝殿に入りこみ怪文書を見つける薫。宴の続きに浮かれている一同にその知らせが届く。文の料紙の馨りから犯人は想定されるも、裏に曰くありげな貴族皇族方の姿が見え隠れ。院のお使いで来る「葵」、右大臣の正室である「女二の宮」、そして「綾姫」。原因究明に奔走する薫は右大臣の邸にたどり着き意外な事実を知る。
8). 行方しれずの葵を心配した大后の宮が中務卿宮の邸に乗り込んで来る。薫の正体を知るものがまた一人。葵の正体を探るも最初の推理は外れ意外な事実が判明する。実は綾姫と同一人物で、姫としてた育てられた若君であった。そして弾正尹宮が何者かに拉致される。
9). 「綾姫」の正体がついにばれ、拉致された「弾正尹の宮」の捜索のため都中を掛けまわる「薫」達。思いもよらぬ結末に驚きの表情を隠せない面々、程なく「弾正尹の宮」も無事救出されるが、何分表沙汰に出来ない事件ゆえ納めかたに思い悩むがやがて妙案が浮かぶ。
本編の連載は終わりましたが、番外編がまだあるようです。(2001,01現在) 10巻目は春頃に出るらしい。