割と最近のボードです。実はこのボードは 三代目になります。二代目のボードが借り物だった為、「さようなら」をした後に初代に戻したらその遅さに耐えられなくなり買いに走りました。実は初代のボード、VL付きの PCI ボードの大半がそうであるように実際のパフォーマンスはいまいちだったのです。
PCI | 3 |
---|---|
Shaer (PCI/ISA) | 1 |
ISA | 3 |
Cache | 256KB (Up 1MB) |
I/O | 2 E-IDE, FDD, 2 S, 1 P, 1 G |
KeyBord | AT type |
ChipSet | UMC UM8881/8886 |
このボードの特徴は、特にこのバージョンではキャッシュを 1MBまで拡張できることでしょう。タグRAMも 128KBの物に交換するとキャッシュレンジは 256MBにも及びます。SIMMスロットは 4本ですので、この場合は 64MBを 4枚挿さねばなりませんが・・・。ついでにチップセットによっては(マイナーバージョンの違い)EDO RAMが使えるバージョンも有るようです。
ちょっと困るのは BIOS-ROMは、フラッシュではなく EP-ROMを搭載していることです。バージョンアップをしたくてもなかなかできません。せっかく BIOSをD/Lして在るのに。
更に、PS/2マウスは、ピンは出ているもののコントローラーが無いので使えないらしいという変な特徴があります。DFIでは一応使えたが、こちらは本当に駄目みたい。ピンの位置もなんだか取り説と違う。
これについては若干の改造とともに、キーボードコントローラーを取り付けることによって使用可能になるようです。このボードをサブマシンにお下がりにする時にでも試すことにします。
現在の駆動周波数は、160MHz基本クロック 40MHzの 4倍設定です。このクロックまでならキャッシュは 2-1-2の最速、各種ウエイトも 0設定で楽に動きます。しかし、このマザーボードの BIOSバージョンでは、PCI バスのクロックを勝手に半分の 20MHzに下げてしまうので、システムの重要部分が性能を発揮できないのです。
最良の解決策は BIOSを更新することで、これにより CPUと PCIのクロックを別々に設定できるはずです。しかしこのボード EP-ROM搭載していて簡単に書き換えられません。
次善の策として、クロックの逓倍数を 3倍に設定し、基本を 50MHzにすることで CPUクロックは 150MHzとちょっと下がりますが、PCIは 25MHzになりかなり改善されます。しかしメモリのタイミングがきつくなるのか、最初試したときはちょっと不安定でした。
暫くして下記の 180MHz 動作を試したときにそれではと、各種設定でどれほど差が出るのか試してみました。40×4と 50×3では、やはり 40×4の方が早い数値が出ます。PCIのスピードが効くはずのビデオ系のベンチでもそうでした。この程度では PCI のバンド幅を使い切っていないと言う事だろうなぁ、ウエイトも沢山入るし。
150MHz (50×3)ですが、意外なところに盲点が有ります。ベースクロックが上がった為メモリのタイミングがきつくなるのです。キャッシュのタイミング設定は 2-1-2, 2-2-2, 3-1-3, 3-2-3の四つが有り 2-1-2が最速です。150MHzでは、いきなりもっとも遅い 3-2-3にしなければ立ち上がりません。更に READ 2のウエイトが必要です。実はこの設定 180MHz駆動でも共通です。
180MHz 駆動の正体は、基本60MHz 逓倍数 3 です。クロック設定のジャンパは 3個 あり、実は 25, 33, 40, 50MHzの四つの設定しかマニュアルには載っていません。が、高い方はあと60, 66MHzが設定できます。150MHz駆動と同様に、キャッシュタイミングを 3-2-3と、一番遅くしてREAD 2のメモリウエイトを挿入します。(READ/WRITE別々に設定できる)この場合 PCIのクロックは 30MHzになります。このボードは CPU の基本クロックと PCI のクロックが 2:1で 連動するので厄介です。
この状態では 160MHz駆動と比べても体感できるほど早いです。ベンチをとってもP-110 相当の数字が出ていました。ベンチお宅ではないので細かい数字は出しませんが、Niftyなどでも180MHzではDOSは動くもののWinは無理だという話を聞いていたので、同じボードを持っている友人なども驚いていたくらいです。
しかし、実はこの設定ですんなり動いた訳では有りません。いや、動く事は動くのですが、まずWin95 の終了時正常に終了しなくなりました(実はこれはキーボードクロックが高すぎた所為)。更に再立ち上げがし難くなりました。(BIOSチェック後にハング若しくは、勝手にリブートを繰り返す。)暫く放っておくと素直に立ち上がるので、多分発熱の影響と思いあちこち触ってみるとキャッシュが一番熱くメインメモリやCPU は、ほとんど平気なようでした。
やはりキャッシュかと思ったものの 早いチップ(現用は DIPタイプ 15nS の物)の手持ちが有る訳でなく、とりあえず温度を下げる為風を当てると何度立上げても大丈夫で、終了途中でハングする事もなくなりました。ケースを空け、上にファンをただ置いていただけだったので、まずキャッシュの至近距離に専用のファンを設け、ついでに各種カード上で発熱の大きなチップ(ビデオチップと、サウンドブラスターの制御チップ)に小さな放熱フィンを括り付けた後カード全体に風が当たるように更にもう一つ、CPUもあわせると計五つのファンが回っているのです。・・・いたのです。
更にスロットもベイも殆ど埋まっている状態で、発熱もすごいようです。手持ちの温度計を総動員して計測してみました。吸気と排気の温度差が6度 も有ります。更にキャッシュ近辺の筐体内と排気温度の差が 1度 ほど有ります。電源からしか排気しませんので電源内では 1度 上昇する訳です。
そうするうちだんだん暖かい日も多くなり、室温が約26度 を超えた当たりから動作には問題ないものの電源を切ったりリブートすると正常に立ち上がらなくなってきました。この時の内部温度は 30度を超えた当たりです。予想はしていましたが、ついに稼働中の温度限界を試すことなくクロックを夏でも正常動作する 160MHzに戻したのでした。ああ、(160MHzにしても)ここは北海道です。たとえば夜でも 30度以上の日が延々と続く事も多い本州方面では正常動作する確証は有りませんが。後に内部温度が 37〜38度程度までは何とか動くことを確認しています。)
さらに調子に乗って 66*3の 198MHzも試しましたが、立ち上がりかけるようですが今のところ駄目なようです。
これで早いキャッシュチップが入手できれば多分温度限界も上がりウエイトも削れて早く出来るし、ついでにキャッシュサイズも大きく出来るなぁと密かに思っていたりします。